本小松石は、神奈川県足柄下郡真鶴町でしか採掘できない石種で、香川県の庵治石と並んで、国内では墓石の最高級品です。天皇家はじめ宮中では古くから墓石といえば本小松石でした。真鶴町がある真鶴半島は、今から約40万年前に箱根火山の噴火によってその地形が形成されました。その時、地表に流れ出した溶岩が急に固まったものが、小松石の原型である安山岩です。
安山岩に分類される本小松石は、掘り出されたままの状態は、茶褐色の皮に包まれていてます。目が細かく、研磨すると独自の灰色から淡灰緑色の密な石面が現れます。石質は硬く、耐久性、耐火性に優れていて、わずかに緑がかった灰色が最上級とされています。