大本山 増上寺墓苑内に庵治石のお墓の建立

こんにちは。神奈川県小田原市を中心にお墓の仕事をしております石政石材、露木です。

先日、東京 芝 増上寺墓苑内へ家族の想いのつまった庵治石のお墓を建立させていただきましたのでご紹介いたします。

今年の初めに弊社ホームページをご覧になったお客様よりご相談いただきました。

この度お父様が亡くなり、お墓を新たに建てることにされたそうです。

庵治石のお墓をご希望で、私が庵治産地で修行していたことや何より庵治石に精通しており、庵治石が大好きなことが伝わりご連絡をいただけたそうです。

ありがとうございます。

建立場所は東京都港区 大本山 増上寺。

浄土宗の本山はもちろん、徳川将軍家の菩提寺としても知られ、厳かな空気と歴史の重みが漂う場所。墓所はすでにこちらの墓苑内にお持ちで、日本が誇る最高級石材「庵治石」を使ったお墓の建立という貴重な体験をさせていただきました。

庵治産地視察の様子。

2月にはお施主様とご一緒に香川県高松市の庵治町へ視察にうかがいました。

目的は「世界にふたつと同じ模様がない」と言われる庵治石細目の石目を、実際採掘元で確認及び選定すること。

庵治町には多くの丁場(採石場)が点在しており、同じ細目でも採掘時期や場所によって色味や斑の出方が異なります。

私の修行先であり大丁場庵治石細目採掘元である(株)岡谷石材の案内で丁場や工場を巡りながら石の表情をじっくり見比べました。

お施主様も「こんなに石に個性があるとは」と驚かれていました。

最終的に選んだのは斑の浮き方が美しく、グレーの深みと艶が際立ち、庵治ストーンフェアの出展品にも劣らない庵治石細目。

私たちは石材店としてただ石を仕入れてるのではなく、お施主様の想いに寄り添いながら石と向き合うことを大切にしております。

今回の視察は石の選定だけでなく、お施主様の想いを伺い信頼関係を深める貴重な時間になったように思います。

産地での石材の選定後も現場にて何度も石のサンプルを使い細部にわたる打ち合わせを重ねてまいりました。

お墓づくりは一生に一度あるかどうかの大切なもの。お施主様の想いを形にするため、デザイン、大きさ、彫刻する文字・絵柄など納得いくまで話し合う時間を大切にしております。

約3ヶ月のお墓の加工期間を経て、現場での施工に入ります。通路などもキズがつかないよう運搬にも細心の注意を払います。

外柵には関東を代表する堅牢な石材、茨城県産の真壁石を使用しました。

真壁石は関東地方で広く使われてきた伝統的な御影石で、淡いグレーの色味と均一な石目が特徴。加工性が高く耐久性に優れているため、外柵材や墓石材に最適です。

周囲の景観とも調和しやすく、落ち着いた印象を与えてくれます。

親柱の蓮の彫刻も良く映えます。

そしてこちらは近年増加してます地震に備えるための耐震対策です。(ステンレスアンカー金具)

耐震のステンレス金具を使用し、さらに二種類の耐震ボンドも充填いたします。

さらに墓石本体には画期的な免震システム「絆」を使用しています。「絆」は地震の揺れを効果的に吸収し、墓石へのダメージを最小限に抑えることのできる、現代の技術が詰まった免震システムです。

大切なご先祖様をお参りするためのお墓が将来にわたり安全であること。それが私たちの使命だと考えております。

お墓のデザインにおいては、周囲の景観や増上寺様の歴史ある雰囲気に溶け込み、永く愛されることを第一に考えました。

真壁石の持つ穏やかな表情と庵治石細目の力強くもあり繊細な美しさ。

この組み合わせは機能性と石本来の持つ美しさの表現の両立を目指した設計です。

外柵がしっかりと墓所を囲み、墓石がその中心で静かに語りかける━━そんな空間が生まれました。

施工が完了し、良い日を選んでお墓の開眼・納骨式を執り行いました。読経中、墓前で静かに手を合わせるご家族の姿が印象的で、陽光に照らされ庵治石独特の美しい斑が浮き、まるで故人の想いがそこに宿っているかのようでした。

開眼式が無事終わり施主様の安堵された表情と、最後にいただいた「石政さんにお願いして本当に良かった」という温かいお言葉は、私たちにとって何よりの励みになります。

お客様の想いに寄り添い、最高品質の石と技術でその想いを形にできたこと、それこそが石工・石材店としての最大の喜びです。

この度は多くの石材店の中から弊社へ、歴史ある大本山 増上寺様での庵治石のお墓の建立をご用命頂きまして本当ににありがとうございました。

また増上寺関係者の皆様、お出入りの石材店様にも大変良くしていただき感謝申し上げます。

ありがとうございました。

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